top of page

日本心臓血管3次元モデル研究会

 

(1)趣旨・目的

 

医療画像診断装置の技術革新はめざましいものがあり、日常臨床で欠かせないものとなっている。複雑な治療に関してはワークステーション上に展開された3次元画像をもとに治療計画立てることもしばしば行われている。しかしながら、平面に展開される3次元画像は、重複もあり、治療前や治療後の臓器の奥行きや実寸の把握に限界があり、画像診断毎に得られた情報を頭で再構成するため病態の解析や理解に時間を要することもある。また、得られた所見を十分に生かせない場合は、医療関係者のコミュニケーションにおいても各自のイメージに相違を生じることがある。一方で、最近のビジネス領域では、3Dプリンターの出現により、実寸のモデルを実際に作成できるようになってきており、デザイナーが、個性あるモデルを作成し出力している。医療現場では、医療画像診断装置が、スキャナーとすれば、3Dプリンターはその出力装置となるが、モデル作成ではなく、画像データから関心領域の抽出作業が主なモデリング作業となる。抽出のための造影剤投与方法や撮影方法および、臓器抽出方法の技術の検討は不十分で、さらに、実際の臨床活用では、非常に専門的な知識と経験に基づく有用なカッティング面などが重要となり、診断と合わせて、形態情報と機能情報の包括的な知識が必要である。各装置の組み合わせた3D機能フュージョンモデルなども今後の課題である。治療後は実寸の3Dモデルで結果を確認しその後の治療方針や技術の向上に役立つ可能性もある。さらに、ライブラリーの整備は、シミュレーションを通じて若手医師や技師の技能向上に役立つと考えられる。このように、3Dプリンター出力の可能性に関してはまだまだ未知の可能性があり、特に心臓血管領域では、十分な検討がなされていないのが現状である。今後の心臓血管のテーラーメード治療を考えた時に、3Dプリンター並びに、抽出造形技術および出力の意義など基本的な知識を身に着け、さらに病態把握や治療の有用性を検証し共有することを目標として本会を開催する。

 

(2)内 容

 

目的達成のため、心血管領域を下記内容に細分化し各項目について本会で検討を行います。参加者は、モデリングに携わる循環器科・心臓外科・放射線科・放射線技師、および世話人会の承認により3Dプリンターに関わる企業の方の参加も許可することとします。また、主にモデリングついては、CT画像を基本とするが、必要に応じてMRI、US、SPECT、PET画像も検討する。

 

(4)研究会の成果の公表について

 

1. 本研究会の成果は、論文や出版物、電子媒体(電子書籍・研究会ホームページなど)で公表し、教育・普及に努める。

2. 有用性検証のため、多施設研究などへの可能性も検討する。

3. 患者説明用あるいは、教育実習用のモデルは二次利用が可能なように

症例データベースを作成し活用できるよう整備する。

 

(5) 研究会開催について

 

 日本心臓血管3次元モデル研究会(J-RITSUMO, J3D)は、前述のとおり、それぞれの診療分野、専門分野、または横断的なテーマで構成し、最新の心血管3Dモデルを作成し成果を発信するなど、本研究会を成功に導くために、鋭意準備を進めております。

 

bottom of page